東京都皮膚科医会 > 皮膚の日について => 「ひふの日」記念 市民公開講座 2001

開催報告レポート


2001年 「ひふの日」記念 市民公開講座は、

日時:平成13年11月10日(土)
会場:有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11階)

● 主催:東京都皮膚科医会・朝日新聞社
● 後援:社団法人日本皮膚科学会・日本臨床皮膚科医学会
● 協賛:ヤンセン協和/協和発酵

551名の参加者により、 盛況のうちに終了しました。


会場写真


「たかが水虫・されど水虫」-秋から冬に治そう水虫-


11月12日の「いい皮膚の日」にちなんで、
市民公開講座が平成13年11月12日(土)に開催されました。
参加者は約600人で、東京都皮膚科医会副会長山本泉先生を座長に、
皮膚科専門医の中でもとくに水虫に詳しい3人の専門家を招き、
水虫についての原因から治療まで幅広い知識と正しい知識をうかがいました。
トータライザーを使用し、演者と会場が一体となった講演会でした。


市民講座開催の告知は、新聞広告や病院などにポスターを配布して行いました。
 → 朝日新聞での告知ポスター・チラシ

 

当日は、500名以上の方にご参加頂きました。
 → 参加者状況

 

また、参加者の皆さまには次の配布物をお渡ししました。
 → 配布物



会場に集まった参加者の8割は、水虫経験者。
その半数が水虫歴 10年以上のベテランです。
講演会の前後にアンケートを実施、
「水虫は治せる」と答えた人は半分でしたが・・・
51%

山本皮膚科医院院長 山本 泉先生

●司会 山本皮膚科医院院長  山本 泉 先生

1976年東京医科歯科大学医学部卒業、同年同 大学皮膚科文部教官助手。
77年以降土浦協同病院、九段坂病院、取手協同病院を経て
86年練馬区医師会立光が丘総合病院皮膚科医長。
91年山本皮膚科医院を開設し、
98年より東京都皮膚科医会副会長として現職に至る。

 水虫はかゆいというイメージが強いのですが、かゆくないほうがむしろ多いのです。
かゆくないからといって放置すると、家族や周囲の人にうつり、 どんどん広がっていきます。
治りにくい爪の水虫にも有効な新しい薬も登場しました。
この講演会では水虫の予防、診断、治療に詳しい3人の先生をお招きしました。
最新の情報をご紹介いただき、会場のみなさまとともに考えていきたいと思います。
水虫の活動が弱まる秋から冬にこそ、きちっと治したいものです。
中野総合病院皮膚科部長 丸山 隆児先生

講演 「水虫の元…白癬菌(はくせんきん)は足の先から頭まで」

中野総合病院皮膚科部長 丸山 隆児 先生

1988年東京医科歯科大学医学部卒業、同年同大学皮膚科入局。
89年取手協同病院皮膚科、91年済生会川口総合病院皮膚科、
92年東京医科歯科大学医学部皮膚科学講座助手、
95年土浦協同病院皮膚科を経て
99年中野総合病院皮膚科部長に就任、現在に至る。

 水虫は虫でも細菌でもありません。
白癬菌というカビの一種で、顕微鏡で100倍くらいに拡大すると、
糸クズのように見えます。
自癬菌は世界に約40種もいますが、好んで人にうつるのは2種類です。
白癬菌は皮膚のあちこちに感染しますが、症状や治療法に多少の違いがあるので、感染した場所に応じて別の名前がついています。
 足の水虫は足白癬、頭だとシラクモ(頭部白癬)、胴体や四肢では
ゼニタムシ(体部白癬)、手は手白癬、股にできればインキンタムシ(股部白癬)、足の爪にできれば爪白癬です。
どれも白癬菌が原因ですが、足の白癬が全体の約8割を占めます。
 白癬は水虫の患者さんが落とした白癬菌が、主な感染源となり、人から人へとうつっていきます。
靴下をはいていても、白癬菌は大変小さいので、靴下の網の目をくぐりぬけて、床やマットやスリッパに付着します。
 予防法は水虫の治療が第一です。
足から落下する白癬菌の数は治療を始めればずいぶん減ります。
自癬菌が角層と呼ばれる皮膚の最外層の中まで侵入するにば
24時間以上かかるので、1日1回は足を洗うのも有効です。
足の指の間も忘れずに、傷つけないようやさしく洗いましょう。
東京女子医科大学付属第二病院皮膚科教授 原田 敬之先生

講演 「爪の水虫…4人に1人は爪の水虫に」

東京女子医科大学付属第二病院皮膚科教授 原田 敬之 先生

1968年慶應義塾大学医学部卒業、
61年慶應義塾大学医学部皮膚科学教室へ入室。
70年国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科医員、77年同部長。
83年慶應義塾大学医学部皮膚科学教室専任講師、86年助教授、
89年London School of Hygiene and Tropical Medicine 留学を経て
93年東京女子医科大学付属第二病院皮庸科教授に就任、現在に至る。

 白癬菌はケラチンという皮膚や爪の成分を食べて生きているので、爪は格好のすみ家になります。
40才以上の方の4人に1人の割合で、足の爪の白癬がみられるといわれています。
白癬菌は爪の先または横から侵入して、爪の生え際へと広がります。爪は白く濁ってきますが、ほとんどが痛みもかゆみもありません。しかし、爪の先がボロボロにくずれて、爪先が痛んだり陥入爪といって爪が食込むこともあります。
爪から白癬菌がこぼれて、家族や他人に迷惑をかけることにもなります。足の水虫が治ってもまた再発を繰り返すのは、たいてい爪白癬があるためです。
 数年前に、白癬菌をやっつける力が強い飲み薬が登場しました。
この薬は爪の中にもよく浸透して長くとどまり、長期間作用を発揮します。副作用の点でも改善されています。爪が伸びるのは1カ月に1ミリですから、すっかりきれいな爪に置き換わるまで、数ヵ月は服用を続けましょう。
1週間飲んで3週間休むというコースを3~6回線り返す間欠療法も工夫されており、治癒率は一段と高くなっています。
日本医科大学客員教授・くすのき皮膚科院長 楠 俊雄先生

講演 「足の水虫…本物ニセモノの見分け方」

日本医科大学客員教授、くすのき皮膚科院長 楠 俊雄 先生

1971年日本医科大学卒業、同年同大学皮膚科学教室助手。
78年米国Centers for Disease Control(CDC)真菌部門、
79年米国エモリー大学皮膚科学教室に留学を経て80年日本医科大学講師。
85年くすのき皮膚科を開設し、
99年より東京都皮膚科医会会長として現職に至る。

 足の水虫には3タイプあって、指の間にできる此間(しかん)型、足底を中心に小さな水疱ができるタイプ、かかとなどがひび割れてくる角化型があります。
また単純に水虫だけの人もいれば、湿疹(しっしん)・かぶれを合併する人、細菌感染を合わせ持つ人、その両方の混合型などさまざまです。
ときには湿疹・かぶれと間違えられて、ステロイド外用薬を塗り水虫がひどくなったケースもあります。
本当に水虫かどうかを見分けるのは、専門医でも難しいことがあります。
 私の診療所に「水虫なんですが」とやってきた、自称水虫患者861人を顕微鏡で検査してみると、約3分の1は白癬以外の病気でした(図)。

(図)ニセ水虫の原因

ニセ水虫の患者さんに水虫薬を使っていては治らないばかりか、害になることもあります。
 皮膚科専門医でみてもらう、必ず顕微鏡で白せん菌の存在を確認してもらうことが大切です。ホンモノ水虫と確認できたら、根気よく治療を続けます。症状がなくなり、顕微鏡検査で菌が消えるという2つの条件がクリアできたら、そこからもう1ヵ月治療を続けます。

さて、専門家からの講演を受けた後に
「水虫は治せると思いますか」の再度の質問に対し、
「水虫は治せる」と答えた人は31%も増加しました。
82%


11月12日は語呂合わせで「イイヒフ」と読み、
「ひふの日」として、全国各地で講演会などを毎年開催しています。
東京都皮膚科医会では「水虫」を今年のテーマとしました。
●東京都皮膚科医会のホームページ
http://www.tcda.jp/

●Japan Foot Week研究会
水虫をテーマに足と爪の健康を考える研究会で、
水虫に関する広範な情報提供と、相談・質問に答えるコーナーもあります。
http://www.japan-foot-week.gr.jp/



このページは、朝日新聞(夕刊)2001年(平成13年)12月19日(水)に掲載された資料をもとに作成されました。



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