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2006年 冬号(第12号)…新年はまた新たな気持ちで
(撮影:岡村理栄子)
2006年 冬号(第12号)…新年はまた新たな気持ちで
新年はまた新たな気持ちで
院長 岡村理栄子

今年はとても厳しい寒さに見舞われています。皆様いかがお過ごしでしょうか?私どもは新年を迎えて新たな気持ちで外来、往診、学会の仕事をしております。スタッフも一部が入れ替わりましたが、より良い医療を目指し一同努力する所存で居りますので本年もよろしくお願いいたします。

さて、夏のクールビズは大流行でしたが、ウォームビズの方は皆様どうされていますか?寒すぎて今年は実行できないでしょうか?ビズはビジネスからきているのだそうですが、家庭でも大切だと思います。勿論エネルギーの使用量を減らすことが目的ですが、私には最近患者さんに目立つ乾燥性の皮膚炎が少しは防げる方法に思えるのです。

勿論昔からの関東の空っ風も、川からの蒸発がなくなったこと(川が暗渠化[あんきょか]し川面が見えない)も原因なのですが、暖房のしすぎで湿度が下がり、皮膚の薄い子ども達や皮膚の脂分の少ないお年寄りの皮膚から水分が蒸発してしまい、かさかさして、かゆくなっている方が増えています。ルームエアコンが多く使われて、やけどの患者さんが減り嬉しいのですが、その代わりにかさかさの患者さんが増えています。

また、下着は空気の層をつくり保温してくれる役目も持っているのですが、最近は下着を着ない、着せない傾向があります。「寒いからエアコンを強く、設定温度を高くしよう!」ではなく「寒いからもう一枚着よう!」のほうが地球にも自分の皮膚にも優しい結果になります。そして、乾燥がひどい時は濡れたタオル等を部屋に干したり、お風呂のドアを開け放したりしてみて下さい。湿度は50~60%が適当と言われていますが、加湿器をお使いになる時は小さいお子さんのやけどに気を付けて下さい。

もうひとつの防御はこの時期に石鹸やシャンプーを使いすぎないことです。皮膚の水分の蒸発を抑えている脂分が取り去られてしまいます。特に液体石鹸は、いくら肌によいと宣伝しているものでも、固形の石鹸の使用量の5倍も使ったら地球にも自分にもよくありません。いきなり、たくさん押し出さずに少しずつ出し、必要な分だけ使うようにしましょう。シャンプーも強力な界面活性剤ですから、体に付くと炎症がおきることがあります。入浴時は頭、顔、体の順番で洗いしっかり洗い流すことが大切です。

しみには、肝斑(比較的若い方のほほにできる)や、老人性色素斑などの種類があります。飛び出た物や、平らなものなど、それによって治療法が違います。

老化、老化とがっかりしないでください。まずは予防、そしてできた「しみ」などには対策を立てましょう。

lightbulb_outlineルビーレーザー
当院では、老人性色素斑、そばかすに効くレーザー(ルビーレーザー)を、昨年から使用しています。
lightbulb_outlineこんな時にはこんな治療を…
従来通り、以下の治療も当院では行っています。ご相談ください。
(健康保険でできるものと、自費のものがあります)
ケミカルピーリング ニキビ跡、浅いしみ、浅いしわ、くすみ
CO2レーザー ほくろの切除、眼の下のブツブツ(汗腺腫)
液体チッ素 老人性色素斑
切除 ほくろの切除、くびのブツブツ(はさみで簡単に)
ビタミンC内服 肝斑(若い方のしみ)やくすみ
特別な高濃度ビタミンC外用 しみ、しわ、くすみ
ハイドロキノン軟膏、トレチノン軟膏 しみ、しわ
”メラニンをトレチノンで掻出し、ハイドロキノンで作らなくする!”