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2008年 秋号(第20号)…新しいニキビの薬ができます
沖縄にて(撮影:岡村理栄子)
2008年 秋号(第20号)…新しいニキビの薬ができます
新しいニキビの薬ができます
院長 岡村理栄子

今年の夏は長かったですね。毎年毎年夏が長くなる気がしますが、特に今年は梅雨の時期も暑くて体調を崩してしまう方が多く心配しました。私も冷たいものを飲みすぎてやせてしまいました。

蒸し暑いために、虫刺され‥特にダニによるものが多く、始めはかゆく、そのうちに掻き過ぎて痛くなり、心配して来院される方が多かったです。ダニというと皆さん「きちんと掃除していますよ」と言われますが、それは刺すダニとは関係ありません。

ダニには種類があり、一番小さいのはホコリダニで、目では見ることができず、吸ったり肌に付いたりしてアレルギーの原因となります。よくお掃除をすれば少なくなりますが、ゼロにすることは難しく、掃除によりアレルギーがなくなるわけではないので、喘息やアトピーの子どもをもつ親御さんの掃除の仕方を非難するのは間違いです。また、殺虫剤は全く意味がありません。

次に大きいのが人間の皮膚に住みつき増える疥癬虫です。これが付くと全身が湿疹のようになり、とてもかゆくなかなか治りません。日本では終戦時に大流行して、その後は体の弱っている方が発病し、なかなか治らずに困っていました。皮膚の表面をとって顕微鏡でみるとダニや卵が見ることができ、それにより診断します。最近は飲む薬ができて早く治るようになりました。

さて、一番大きいのは刺すダニです。最近、小金井市やその周辺にねずみが大量に増え、そのねずみが落としていく為にダニによる被害が増えています。刺されたところは薬を塗れば早く治りますし、かゆみ止めを飲むほどひどくなる方もいます。治療も大切ですが、退治も大切で、このダニには殺虫剤や噴霧剤が効きます。しかし、ダニが居なくなっても、ねずみがいたら繰り返すので注意が必要です。岡村皮フ科のまわりでも、ハクビシンやたぬきまでいて自然との協和も大切と思い、目の敵にはしたくないのですが、レーザーやコンピューターのケーブルを囓られたらと心配です。

さて、9月には待望のニキビの新しい薬が認可されます。今までの薬より一段と効果が上がるようです。外国では以前から使われていましたが、日本では許可がなかなかおりませんでした。それは、長い間、ニキビはたいした病気ではないという思い込みが根強く一般にあったからでしょう。これで、ニキビの跡で悩む人が少なくなるかと思うと嬉しくなります。

ニキビは顔や胸、背中の毛穴と脂肪の腺の慢性の炎症です。

1.
まず、面ぽうができます。…男女とも思春期になると男性ホルモンにより皮脂腺が活発になり、その脂で 先が詰まり固くなり、毛穴のところに脂の塊ができます(白ニキビ、黒ニキビ)。それを面ぽうといいます。
2.
その塊にニキビ菌が増え、炎症が起きると赤くなります(赤ニキビ)。
3.
赤ニキビがさらにひどくなると毛穴の壁が破裂して、皮膚の中に漏出して強い炎症が起きます(黄色ニキビ)。
4.
中には硬い塊になったりケロイドになったりすることもあります。

最近、皮膚科専門医に来ている患者さんの実態調査が発表されました。

5.
今まではニキビの治療の満足度は、内服薬以外は低かった。
6.
医療機関に来ているニキビの患者さんの男:女の比は、3:7で女性が多い。
7.
平均年齢は全体で23歳、男性は19歳、女性は24歳だった。しかし、よく聞くと男性では14歳ごろから女性では16歳くらいから発病している。そこで、発病から皮膚科を受診するまで2年~5年経過してから、医療機関を受診する傾向があることがわかった。

以上のことを考えると、効き目がよりよい薬があれば皮膚科をより早く受診し、跡にならないうちに治せるということです。

勿論、今までのように、しっかり丁寧に石鹸で洗う。睡眠時間を十分とる。栄養が偏らないようにする。なるべく触らないようにすることが大切です。

今度、認可がでた薬はレチノイド、ビタミンA酸に似ていて(1)の小さな自ニキビを薄くそぎ、詰まりを解消する働きと、炎症を止め、(3)の炎症にも効果的であることが分かっています。その為に発病した後にも又、新たなニキビができない予防にも役立ちます。

ニキビは思春期に生じて、ある程度の年齢になると治ります(ただし、化粧による大人ニキビは除く)。その間に跡にならないようにすれば後悔しないですみます。皮膚科医としても患者さんが良くなれば嬉しく、良い薬ができるとまた、がんばろうと思います。